野村佃煮の製造ラインでは、日常の食卓を彩る惣菜や“食の芸術品”との評判も高い昆布佃煮「舞扇」をはじめとする高級佃煮、贈答用品など、合わせておよそ500アイテムの商品が、常に動いています。そして、商品開発部門ではさらに新しい商品を求めて、毎日のようにアイデアが生まれ、試作と試食が繰り返されています。

 商品開発は、いわば味覚の冒険です。おからにチリソースを合わせたり、百合根を麻婆豆腐に使ったり‥‥‥。洋風素材やエスニックなテイストと日本の伝統が出会って、新しい味覚の世界を作り出します。でも、そのベースにあるのはやっぱり日本の味、とりわけ京料理の伝統です。
 素材の持ち味をひとつひとつていねいに引き出した、合わせ醤油の技法。味覚と香りのハーモニー。全体に薄味だけど、味の骨格ははっきりしていて、毎日食べても飽きない味。そんな京都の味を新しい工夫に乗せて、全国の食卓へと送り出しています。
佃煮は、江戸・佃島の漁師さんたちが、湾内で獲れる小魚を煮込んで保存食にしたのが始まりだと伝えられています。その佃島は、江戸時代初期に、大阪の佃村から移り住んだ人々が開いた町でした。関東の佃煮は、醤油と砂糖、水飴でこってり煮込んだものですが、野村佃煮は醤油に酒と味醂を加えたあっさり風味。佃煮のルーツの、そのまたルーツを受け継ぐ関西の味です。